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ノルウェー:先祖代々のルーツを守る

 

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トナカイ飼育は、ノルウェー中央部からスウェーデンにかけての地域に暮らすサーミ人(ラップ人とも呼ばれる)の主な活動である。1986年4月末から5月初め、チョルノーブィリ原子力発電所の事故が起こり、放牧地である山間部の広い範囲を汚染した。トナカイは、セシウムをとくに取り込みやすいことが確認され、トナカイ飼育を基盤とした文化全体が危機に晒された。
当局と放射線防護および放射生態学の研究者らが緊密に連携し、大多数の飼育業者は徐々に、自分たちのトナカイの放射線量を測定し、汚染度の低い地域から取り寄せた地衣類を餌として与え、セシウム含有量を低くできる調理法を採用する、といった習慣を獲得していった。こうすることで、自分たちの生活スタイルを守っているのだ。

 

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ラヴランス・スクテルード
中心的科学者、ノルウェー放射線防護庁(NRPA)

 
私たちはトナカイ、ヤギ、ヒツジの飼育業者らと会い、トナカイの屠殺もモニタリングした。ノルウェーでは、飼育業者、農業従事者、地元の生産者といった地元住民にとっての放射線事故の実践的な影響、こうした状況を規制でコントロールすること、損害の補填などについて、十分な経験を積んだ。こうしたことのすべてが、日本の農業従事者や生産者に関連すると思う。トナカイであれヒツジであれ、山菜あれ、これらのすべてが栽培、食品、生活スタイル、つまり私たちの日常生活の基盤となるものすべてにおいて、おおいに検討するべき問題なのだ。」